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野田版画工房

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具を引く



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私達が紙をつくっていく行程のひとつに『具引き』というものがあります。
これは和紙の表面に顔料を刷毛などで塗る事をいいます。


『具』を『引く』


絵の具を塗る、のではなく、『引く』。
昔から伝わる動作の言い方は面白い。


和紙は水分をものすごく吸うので、絵の具を乗せた時点ですぐ伸び始めます。
ゆっくりしていては皺などができてしまう。
だから実際、動きは塗るという感覚よりも、素早く刷毛を『引く』という感じ。


この『具引き』には、紙の色を自在に変えられるという他に、日焼けなどから紙を守ってくれる効果があります。
文化財などに納まっている襖紙には、決まってこの『具引き』が施されています。


『具』を『引く』


言葉の響きも、物理的にもたいへん面白い。




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by nodahanga | 2012-04-30 00:04 | 作品について
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