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野田版画工房

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見えぬワザ2


水で裂いた和紙の繊維は「くいさき」と言います。


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紙は繊維で成り立っていることがよく分かります。

なんと温かく、愛おしい。

このくいさきのお陰で、下張りの紙の継ぎ目がフラットになり、本紙を張ったときにその継ぎ目が目立たなくなるのです。


ぐるりに糊を着け、下地に張っていきます。
しわなど出来ないよう、ピンと張ったように刷毛で撫でていきます。


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紙の重なりをもって張っていく事で、下地から浮いている状態の下張りができます。

そして乾燥。


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ピンと張った袋張りの紙。
紙の重なったところは白く濃くなって、変則的なチェック柄みたい。


ここまで綺麗に張った下張りだけれども、人間で言えば下着を身につけただけの状態です。
服を着るように、本紙を張っていくのです。


もうこの下張りは見える事はありません。


しかし、この行程を経てこそ、紙のふっくらとした風合いが保たれるのです。
そして紙は浮いているので、乾湿のある日本の風土にあわせて呼吸し、伸び縮みするのです。


美しさを引き出そうとする時、見えなくなるものがたくさんあるのだと思います。
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by nodahanga | 2013-12-17 23:49 | 作品について
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